信州のカラマツ

信州のカラマツ

美しい山々や森林に恵まれた自然の王国、信州。その美しさを更にきわだたせているのがカラマツ林です。
カラマツの林を過ぎて カラマツをしみじみと見き カラマツはさびしかりけり たびゆくはさびしかりけり

カラマツといえば北原白秋のこの詩を思い出します。軽井沢のカラマツ林の美しさを詠んだこの詩は、何とはなく妙に心に残る詩です。春の芽吹きの初々しい緑や、秋の黄金色に輝く紅葉の美しさなどカラマツには人の心を癒す不思議な魅力があります。

カラマツ林カラマツは日本原産で、唯一落葉する針葉樹です。浅間や八ヶ岳山麓には古くから天然のカラマツが自生していて、種子や苗木が北海道や岩手県、遠く海外にも移出されたため日本カラマツは信州カラマツとも呼ばれました。
カラマツは耐水性、耐久性が高いことから信州では古くから民家建築に使われていました。しかし、カラマツは他の地方ではあまりなじみがなく、戦後のスピード化し簡略化した施工方法ではねじれや狂いが生じ、脂も出たことから、建築用材としてはあまり利用されませんでした。そして戦後大量に植林されたカラマツは、現在放置され森林の荒廃につながっています。
材木「もったいない!どうして近くの山にこんなに木があるのに外国から輸入しなければならないのか」私たちは地域の木であるこのカラマツを何とか利用していきたいと考えていました。人工林は伐採と植林の循環を正しく繰り返すことによって、より多くのCO2を吸収し、災害のない健全な森林を保つことができます。
最近、乾燥技術の発達により建築用材としてカラマツ利用が少しずつ広がり始めました。もともと強度や耐久性に優れている上、木目や色艶の美しさがあるので、仕上げ材としても見直されてきています。
「そうだ、これは落とし板倉の厚板(落とし板)にぴったりの素材ではないか」板倉構法の厚板は、まさに太く厚く使い、そのまま仕上げ材となります。カラマツに最もふさわしい構法の一つが板倉なのです。私たちは、こうして信州カラマツを板倉構法に使うことを決めたのです。